RCサクセションのベスト・アルバムを聴く [元気をくれる音楽たち]
あるライブで忌野清志郎さんが一人熱唱する姿を拝見して感動してから、
ちゃんと彼の音楽を聴いてみようと思っていた。
それにはRCサクセション時代の音楽も聴いてみたい。
RCサクセションのベストアルバムは何枚か出ているので、困った。
その中の一つを聴いたからといって、彼らの音楽を知ったとは言えないと思うから。
でも、最初の一歩がなければ、次への興味に繋がらない。
私が選んだ一枚は、これ。
私でも知っている「雨上がりの夜空に」は、どのベストにも入っているが、
選んだ理由は、「サマータイム・ブルース」と「サン・トワ・マ・ミー」が入っていたこと。
いずれもカバー曲だが、私の知っているものと聴き比べたいなぁという興味があった。
「サマータイム・ブルース」はウルフルズもカバーしているが、
まったく違う曲に聴こえることが、おもしろい。
RCサクセションのものは、歌詞に社会問題をストレートに盛り込んでしる。
メッセージ色を強烈に出しつつ、コミカルな歌詞と曲調でノリノリに聴ける。
そして、何か考えさせられるものが心に残る。
もちろん、サンコンさんのシャウトがナイスな
ウルフルズの「サマータイム・ブルース」も大好き^^。
「サン・トワ・マ・ミー」は、亡き越路吹雪さんも歌っている。
うちの母が好きな歌で、家に彼女のCDがある。
母はCDの聴き方がわからないので、オーディオにかけてあげる時に私も聴いていた。
越路吹雪さんは、すばらしい歌声の持ち主。二人といない歌うたいだ。
その方の持ち歌を、清志郎さんはどう歌うのか?とちょっと意地悪な気分で臨んだ。
いい感じで、裏切られた!
RCサクセションは、この名曲をロッケンロール♪♪にしてしまっている。
一つの恋が終わり、心を置いてけぼりにされた〝男の心情〟を歌った歌詞はなかなか。
関係ないが、キャンディーズの「春一番」を、
ウルフルズがハードロックにしてしまったのを、初めて聴いた時も肝を抜かれたが、
この「サン・トワ・マ・ミー」は歌詞の面白ろさもすごい。
ロッケンローラー、恐るべし!!
越路吹雪さん、RCサクセション、どちらのバージョンもすてきだ^^。
このベストアルバムに収録されている他の歌は、初めて聴く歌が多いが、いい曲ばかり。
清志郎さんの歌声は、なんだか切なくグッとくる。
ノリノリで楽しませてもらったと思ったら、
泣きたくなるような歌を聴かせてくれたり、
考えさせるメッセージをストレートに伝えてくる。
社会性のあるメッセージの歌たちは十数年を過ぎた今も、歌詞が古くなっていない。
これには考えさせられる。
そして「トランジスタラジオ」の最後の最後のフレーズ。
今の私はラジオで音楽の興味が広がったわけじゃないが、
一つのロックバンドの歌にハートを揺すぶられたことによって、
清志郎さんの歌声をはじめて聴くチャンスを得た。そして感動をした。
一つの感動が、未知の感動を知ることを呼び起こす。
興味を持つ音楽は次々と裾野が広がる一方だが、
私は今しばらく音楽のここちよさに身をゆだねていたい。
「トランジスタラジオ」の最後のフレーズに
勝手に今の自分の心境をシンクロさせているだけだけど^^;