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死出のはなむけ [嗚呼、サラリーウーマン]

※2014.12.13 a-blog「ころたん王国」より移転

会社の現役役員の葬儀があった。
このお別れは突然に近かった。

私は昨晩の通夜に参列。
すごい参列者だったな。
なんか焼香台もやたらめったらたくさん並び、流れ作業で何の感慨もなく。
誰の通夜やらわからんようなだった。

で、今日は葬儀。
葬儀場から出棺して霊柩車は一路会社へ。
一般社員は仕事なのだが、全員通路に整列してお出迎えして合掌。
これにも朝からお迎えすべく通路を掃除したり
直前にはキレイに水をまいたり準備をされる社員がたくさんいた。
社員たちの心ばかりの儀礼を受け、
故人を乗せた霊柩車は彼が一生を捧げた会社の構内を静かに一周した。

お通夜の時はなんだか実感がなかったけど
霊柩車が正門を出る時にひと時止まり。
一度だけクラクションを長く鳴らし、火葬場へと出発された時
思わず涙がこぼれてしまった。
雰囲気に呑まれたのもあるけどが、いろいろお世話になった方だった。
私が新入社員の時、彼の資料をワープロする係だった。
去年、部署が引越ししてからはほとんど関わりはなくなってしまったが
それまではプライベートな仕事も時々頼まれたりもした。
会社にある程度いる人間だったら誰も彼もなにかしら世話になっている方だった。
良くも悪くも存在感の大きい方だったな。
ワンマンでおっかない方でもあったけど、
いつでも社員に気さくに声をかけてくださった。
もうお顔を真っ赤っかにして怒っとらっせる姿もお見かけできないのだな。
「よっ!」と片手を挙げてくだるのもお見かけできないんだな。
近所のスーパーでお孫ちゃんとお買い物をされていているところに
バッタリ出くわすこともなくなるのだな。
逝ってしまわれるには、まだずいぶん早いお歳だった。

なんだか実感が沸くような沸かないようなあやふやだけど現実なんだ。
この一抹の悲しさも持続したものではなく静かに寄せて返すようなもの。
昔付き合っていた人が私のところへやってきて
しみじみとした表情で「俺が死んだら焼香ぐらい上げにきてよ」とのたまった。
とうに縁が切れていても一度自分のものになった女には
見送ってもらいたいのかな。
たまたま何とはなしに言ってみただけかな。わからんが。
私は死んだら魂は消滅して無にかえると信じている。
こういう感情も生きているからこそ沸き起こるものだと思う。
なので通り一遍のご冥福をお祈りするという言葉はどうかなとも思うのだが。。。
私の思い出の中では亡くなった方はまだ生きていらっしゃる。
だからやっぱり死出に旅立たれても健やかであって欲しいと思ってしまう。
こんな時でも私は、偏屈で屁理屈、へそ曲がり人間である。

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